東京から大阪に引っ越してきて三年目に、婚活を始めました。もともと出不精なほうで、職場と家の往復だけでは出会いなんてあるわけもなく、三十四歳の誕生日を機に重い腰を上げたのです。
最初に参加したのは、中崎町近くの会場で開かれた小規模な婚活パーティーでした。二十人ほどの男女が集まって、ローテーションしながら話すあれです。東京でも似たようなイベントに一度だけ参加したことがあったので、雰囲気はなんとなく想像していたつもりでした。でも、大阪は少し違いました。
とにかくみなさん、トークが早い。しかも自然と笑いを取ろうとしてくる。東京のパーティーではわりと真面目に「お仕事は何を」「趣味は何ですか」と進んでいった記憶があるのですが、大阪では最初の一分で相手がボケて、私がどう返すかを試されているような空気があるんです。笑いのキャッチボールができるかどうかが、なんとなく重要なふるいになっている気がしました。
私はどちらかというとのんびりした話し方で、間を大事にするタイプです。大阪のテンポについていけず、愛想笑いでごまかす場面が何度もありました。終わった後に「東京の人やろ、わかるわ」と言われたときは、笑っていいのか困ってしまいました。
ただ、回数をこなすうちに、大阪の婚活の温度感が少しずつ好きになってきました。べたべたしすぎず、でも妙に距離が縮まるあの感じ。笑えたときの一体感は、他では味わいにくいものがあります。
まだ「この人かも」という出会いはありません。でも、少なくともパーティーの帰り道に気持ちが暗くならなくなったのは、大阪のおかげかもしれないと思っています。
